「頻尿」や「ちょい漏れ」も、男性ホルモンに原因が

年齢とともに男性に忍び寄ってくるのが、頻尿やちよい漏れといった、おしっこの悩み。これらについて語る前に、まず、おしつこが男性にとって非常に重要なものだという点にふれておきましょう。

おしつこは、男性の「縄張り意識」と密接な関係にあります。犬が電信柱におしつこをするのは、自分の臭いをつけて、「ここは、オレの縄張りだ!」と主張しているのです。人間でも、「できる男」は「縄張り意識」が強いものです。たとえば、社内でも自分の仲間を増やし、勢力を広げていこうとする傾向があるのではないでしょうか。これは、動物の雄に備わっている、極めて男性的な本能のひとつなのです。

そんな男の縄張り意識にもテストステロンは大きく関係していて、犬も人間も、テストステロン値が高いと縄張り意識が高くなります。縄張り意識が高い犬は、より濃くて臭いの強いおしつこを出し、自分の縄張りを誇示するのです。

人間はそんなことはしませんが、実は男性も、テストステロン値が高い人はおしつこを濃縮する力が強くなります。そこには、パソプレッシンという脳内ホルモンが関係しています。テストステロンに支配されているホルモンで、テストステロンによってパソプレッシンがたくさん出ると、その指令が膀胱に届き、尿が濃縮されます。

ですから、テストステロンが低下してパソプレッシンがあまり出なくなると、尿が濃縮されなくなり、その結果、尿量が増え、頻尿になりやすくなる、というわけです。

男性のおしつこの悩みの原因は、ほかにもあります。そのひとつが、前立腺肥大症です。前立腺とは、膀胱の下で、尿道を取り囲むように存在している男性特有の臓器で、栗の実ほどの大きさをしています。精巣を守る働きをしたり、精液の一部を作るとともに、排尿がスッキリ行われるように働きます。

その前立腺が、加齢などの影響で肥大した状態が、前立腺肥大症です。膀胱や尿道を圧迫するため、さまざまな排尿障害の一因になるのです。前立腺肥大症の罹患率は非常に高く、中高年の6割以上に見られるといわれています。たとえばちょい漏れは、排尿後に尿道に残っていた尿があとからじわっと出てしまうもので、男性にとってなかなか不快な現象です。これは、前立腺に接している尿道括約筋が弱まってくるために起きるものであり、前立腺の状態が良ければ、あまり起きることはないのです。

そんな男性のアンチエイジングの要ともいうべき前立腺を守っているのが、やはりテストステロンです。実際、30代や40代で頻尿や尿道の痛みなどの炎症が出ている人は、検査してみると、テストステロンが低い傾向にあります。

さらにテストステロンは、前立腺だけでなく、膀胱を守る働きもしています。このため、テストステロンが減ってしまうと、膀胱が硬くなって伸びにくくなり、粘膜も弱って炎症を起こしやすくなります。あるいは、過活動膀胱といって、膀胱が必要以上に過敏に反応してしまう状態になることもあります。このため、高齢になると、頻尿になったり、尿漏れが起きやすくなるわけです。

ですから、「最近おしっこの悩みが増えてきたな」と感じたら、男性ホルモンの低下を疑ってみる必要があるのです。

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